シリコンナノ生体情報計測デバイス

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14750174
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (90343110)
• キーワード: 神経電極 / シリコンマイクロマシンニング / MEMS / 生体情報計測 / 神経電位計測 / マイクロマシン / 神経インターフェース / 刺入型微小電極

研究概要

本年度は、ナノサイズのシリコン刺入型電極を試作する前段階として、マイクロサイズの電極を作成し、評価することを試みた。以下の方法により、デバイスを製作した。まず、熱酸化した厚さ約100ミクロンのシリコン基板を用い、電極となるアルミなどの金属を真空蒸着し、これをパターニングする。その後、絶縁層となるポリイミド(厚さ約3ミクロン)をスピンコートし、アルカリ溶液でパターニングする。これによって、ポリイミド層の下にあるアルミ層を部分的に露出させることができる。最後に誘導結合型プラズマエッチング装置(ICP-RIE)によって、シリコン基板異方性エッチングする。このとき、ポリイミド及びアルミはプラズマによってエッチングされないため、これらのパターンが、異方性エッチング時のマスクとして働く。100ミクロンの基板を貫通するのに要した時間は約40分程度であった。このようにして、先端に幅50ミクロン、厚さ100ミクロンのプローブを3本有し、それぞれプローブに3つの神経電位計測用電極パッドを有する、計9チャンネルの多チャンネルシリコン刺入型微小軍極を試作することに成功した。各電極パッドの大きさは20ミクロン角に設定した。この製造方法によって、シリコン基板上に一度に多数のプローブを持つ電極を複数本製作できることを示した。また、実際に昆虫の筋電位計測に用いたところ、S/Nは低いものの、筋電位を計測できることが分かった。

研究成果

• [文献書誌] Takafumi Suzuki, Mabuchi Kunihiko, Shoji Takeuchi: "A 3D flexible parylene probe array for multichannel neural recording"Proc. of IEEE Neural Engineering. (in press). (2003)
• [文献書誌] Mie MITSUI, Shoji TAKEUCHI, Takafumi SUZUKI, Michiko OHKURA, Kunihiko MABUCHI: "Flexible intra-fascicular nerve electrodes for the recordings of autonomous nerves"Proc. of IEEE Neural Engineering. (in press). (2003)
• [文献書誌] Shoji Takeuchi, Takafumi Suzuki, Kunihiko Mabuchi, Hiroyuki Fujita: "3-D Flexible Multichannel Probe Array"Proceeding of IEEE International Micro Electro Mechanical Systems (MEMS'03). 367-370 (2003)
• [文献書誌] Shoji Takeuchi, Isao Shimoyama: "Standing Microcoil Actuator Array"Proc. of the 19^<th> Sensor Symposium. 451-454 (2002)
• [文献書誌] Shoji Takeuchi, Isao Shimoyama: "Remote Inductive Powering for Driving Microactuators"Proc. of The 6^<th> International Conference on Motion and Vibration Control (MOVIC2002). 1045-1049 (2002)
• [文献書誌] 竹内昌治, 下山勲: "微小電極によるバイオテレメトリー"計測自動制御学会誌. Vol.42,no.1. 38-41 (2003)
• [文献書誌] 竹内昌治, 下山勲: "マイクロマシン江刺正喜監修"産業技術サービスセンター(江刺正喜監修). 669 (2002)