研究概要 |
AGV(Automated Guided Vehicle)搬送システムは,生産現場において物流を支える仕組みとして普及している.AGV群は磁気テープなどで固定された経路上を所与の行動アルゴリズムに従い走行している.本研究では,行動則を6種類に分類し,それに適した経路ネットワークを設計し,それぞれを評価することで適切な経路ネットワークと行動則のペアを導出する手法を提案した.更に,計画時間コストの問題に対して,計画に必要な計算時間を考慮した,静的接近法と準動的接近法の切り替えを含む行動アーキテクチャを提案した.行動則と経路ネットワークのパラメータを進化的手法により解を求めた.2つのパラメータ群を1つの個体として表現することにより,進化的手法により解生成が可能となった.行動則とは,AGVが搬送を行う際,なるべく短時間で初期位置から目標位置に到達するための経路を算出するものである.ここでは,準動的接近法としてConfiguration space-timeを用い,他のAGVの行動を考慮して干渉を極力回避する経路生成を行った.また,計画遂行のために要する計画時間を後述する遺伝的アルゴリズムに用いる設計パラメータとした.経路ネットワークの設計は各セル間の連結が必要かどうかを設計する.環境中の全ての接続を表現するため,各セルから上と右に2本の連結をパラメータとしている.遺伝的アルゴリズムによる順問題繰り返し最適化により,AGV搬送システムにおける経路ネットワークと行動則の最適な組み合わせを求めた.提案手法の有効性を示した.
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