研究概要 |
研究1年目である本年度は,高齢者を見守り体の状態を把握し,必要ならばその人の状態や体格に合わせて手助けすることで高齢者を転倒事故から守るためのロボット要素技術の開発を目指した.具体的には,ロボットが「人の情報を獲得す」「人の状態を把握する」ことができるよう,下記のテーマに着手し成果をあげた. 【人の情報を獲得する】 ・高フレームレート・ビジョンセンサユニット ロボットに搭載可能な小型サイズでありながら高フレームレートで画像を獲得し処理するユニットを製作した.画像記録部,変換部,転送部をCPLDやFPGAを用いて独自に回路設計することで,秒間320フレームの画像データを獲得することに成功した. 【人の状態を把握する】 ・歩行動作のゼロモーメントポイント(ZMP)解析とリハビリテーション支援 ロボットの歩行概念であるZMPを用いて歩行動作を解析した.さらに転倒予防を目的とした計測システムを開発した.今回試作したシステムは,すべてのユニットを靴底に収めており,実験により歩行時の足圧と足の振りが屋内外を問わず計測できることを実証した. ・ロボットが人に与える危険性の評価 ロボット設計・制御と接触時の人のダメージを関連付け定量的に算出することで,ロボットの危険性を統一評価した.今回は衝撃力を規範量と定め,多リンクマニピュレータの安全接近動作の方針を見出した.シミュレーションによる検証を行い,その有効性を確認した.
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