研究概要 |
対象を老人性難聴者として,フィッティングの専門家と同等の機能を実現可能な自律適応型補聴器システムの実現を目的としている。これまでの研究成果より,人間が機械に指示を与える時には,時間的な曖昧さと空間的なあいまいさが混在していることが判明した.時間的曖昧さと空間的曖昧さの個人差を計測することにより,自律適応型補聴器のインタフェース部分に適用する.本年は、加齢に伴う意思伝達速度の遅れの生体信号に関する定量的な基礎的データの収集,Interactive Q-learningにおける空間的な曖昧さの定量的な基礎的データの収集に重点をおき、単純な視覚的刺激を与えてからスイッチを押すまでの時間を測定するための、装置の開発を行った。意思伝達速度の測定には、被験者の目の動き、刺激からスイッチを押すまでのトリガーの精度が要求される。現在、健常者において、本測定器の実験を行っている。Interactive Q-learningにおいて、これまでのマウスをクリックすることによる評価信号の与え方をスイッチを押すことに変更し、筋電位の測定を行った。このスイッチの変更による力の入れ具合や被験者に与える影響を、検討した。また、生体信号を用いてon-line制御を行うため、使用者が快・不快を感じてから強化信号を与えるまでの加齢や性格による時間遅れにより曖昧さ,不快の度合いの空間的なあいまいさが問題となることが予想されるため、時間的なあいまいさと空間的なあいまいさに適応するインタフェースの理論構築を行い、実装中である。
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