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2002 年度 実績報告書

高温超電導機器用固体窒素冷却材の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750209
研究機関京都大学

研究代表者

中村 武恒  京都大学, 工学研究科, 助手 (30303861)

キーワード高温超電導コイル / 固体窒素 / 熱伝達特性 / 熱安定性 / 畜冷材 / ネオン / Bi-2223高温超電導テープ材 / 圧力効果
研究概要

本年度は,主として高温超電導コイル冷却用固体窒素冷媒の熱伝達特性改善法ならびにその蓄冷効果に関する研究を行った。以下のような研究成果が得られた。
1.昨年度までに,伝導冷却で冷却速度を非常に遅くして窒素固化を行うことにより,固体窒素と冷却対象との熱接触が格段に向上することを明らかにした。本年度は,実際にBi-2223/Ag多芯テープを用いて小形高温超電導ソレノイドコイルを製作し,同コイルにおいても同様の効果が得られることを確認した。これは,過電流通電時の温度ならびに電圧測定によって確認されたものである。また,高温超電導コイルを上記方法で固体窒素含浸後,2気圧程度に加圧することによって熱伝達特性がさらに向上することを示した。この原因としては,加圧によって固体窒素の昇華が抑えられたものと推測され,現在検討を進めている。
2.液体ヘリウム熱交換方式による高温超電導コイル実験用窒素固化装置を設計・製作し,その冷却特性を調べた。これは,ある一定時間外部からの冷媒供給を要しないスタンドアロン方式高温超電導コイルシステムを志向して製作したものである。液体ヘリウム流路と固体窒素含浸コイル設置用試料室間の熱交換効率向上のため,両者の接触面積を向上する工夫を施した。実験の結果,熱交換器のシール部にリークがあることが判明し,当初予測した結果は得られなかったが,ある程度の蓄冷効果を実験的に確認することができた。現在,上記リークの問題を改善し,より詳細な実験を行うべく準備を進めているところである。また,固体窒素とネオンを混合した場合についても熱伝達特性ならびに蓄冷特性の実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Nakamura, K.Higashikawa, I.Muta, A.Fujio, K.Okude, T.Hoshino: "Improvement of Dissipative Property in HTS coil impregnated with Solid Nitrogen"Physica C. 386C. 415-418 (2003)

  • [文献書誌] 中村武恒, 藤尾彰尚, 奥出健一, 東川甲平, 牟田一彌, 星野勉: "過電流通電時における固体窒素含浸高温超電導コイルの損失特性"2002年度春季(第66回)低温工学・超電導学会講演概要集. 24 (2002)

  • [文献書誌] 東川甲平, 中村武恒, 牟田一彌, 星野勉: "液体ヘリウム熱交換方式窒素固化実験装置の設計製作および蓄冷特性"2002年度秋季(第67回)低温工学・超電導学会講演概要集. 163 (2002)

  • [文献書誌] 東川甲平, 中村武恒, 牟田一彌, 星野勉: "固体窒素含浸高温超伝導コイルの蓄冷効果に関する実験的検討"平成14年電気関係学会関西支部連合大会講演論文集. G121 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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