分散型電源を複数台設置し、系統を形成する際の問題点を明らかにするため、配電系程度の容量である離島系統の周波数変動を計測し、小規模な完全独立系を分散型電源を用いて形成する場合には従来注目の集まっている電圧変動問題のみならず周波数変動についても考慮が必要であることを明らかにした。特に数分以下の周期で変動するサイクリック成分、十数分以上の周期で変動するサステンド成分が東日本系統と比較して大きく、サイクリック成分抑圧のためのエネルギー貯蔵装置導入やサステンド成分抑圧のための分散型電源間の協調が重要となる可能性を示すデータを得ることが出来た。 また、分散型電源導入時の影響シミュレーションへの適用を指向して様々な施設における負荷(事務所ビル、研究所、病院など)の時間変動を計測した。統計効果が小さいためこれら個々の負荷では平均消費電力と比較して短い時間での電力変動が大きいことが明確となった。負荷変動にそれぞれ特徴があり、モデル作成の重要な基礎データとなることが期待される。 エネルギー貯蔵装置の中で高効率で出力を短時間に大幅に変更可能なSMESに着目し、低損失で大容量化が容易な電流型電力変換器の制御系とその制御可能範囲について検討を進めた。 配電系統の電圧安定化を主たる目的としてUPFCの導入を提案し検討を進めた。理論計算により電圧変動抑制のために必要なUPFC容量の検討を行った結果、広い負荷状態で小容量のUPFCのみで電圧変動抑制が可能なことが判明した。また、スイッチングまで含めた計算機シミュレーションにより短絡事故時の動作特性について検討を行った。その結果、直列変圧器の洩れインピーダンスによる限流効果が期待できることが判明した。
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