研究概要 |
今年度はHybrid FDTDシミュレーターの開発に重点をおき開発した。電磁界解析シミュレータ部分は,現在の多くの電力サージシミュレーターが基本としている等価集中定数理論(すべての要素を等価なコンダクタンスと電流源に置き換える方法)とは異なり,マクスウェルの空間方程式を基本とするため,雷による線路伝搬サージと空間伝搬サージの両方を考慮に入れ,計算空間内のあらゆる部分に現れる磁界・電界を計算することができる。 また,集中定数理論シミュレータ部分の開発も行った。これは,複合収束計算法という手法を用い,回路内に多くの非線形要素が含まれる場合も精度よく解析できる手法である。また,クラウトのアルゴリズムと各種収束計算法の特徴を利用し,収束時間を短縮するアルゴリズムを開発した。 現在,それらのシミュレーターはそれぞれ別々のシミュレーターとして存在し,今後,それらをリンクさせ,Hybrid FDTDシミュレーターを開発する予定である。
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