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2002 年度 実績報告書

膜厚100nm以下の強誘電体薄膜の物性及び薄膜/シリコン界面の構造と物性制御

研究課題

研究課題/領域番号 14750242
研究機関福岡大学

研究代表者

香野 淳  福岡大学, 理学部, 助教授 (30284160)

キーワード強誘電体薄膜 / 薄膜物性 / 薄膜 / シリコン界面 / X線反射率 / SrBi_2Ta_2O_9薄膜 / ゾル-ゲル法 / MFS型構造 / メモリーデバイス
研究概要

sol-gel法とスピンコートを用いてSi基板上に強誘電体薄膜を形成し、薄膜の結晶化過程、薄膜/Si界面構造、電気特性の研究を行った。材料としてはSrBi_2Ta_2O_9(SBT)を選択し、Bi_<4-X>La_XTi_3O_<12>(BLT)へと展開した。
薄膜形成直前に、Si基板を化学洗浄、希フッ酸処理することで、湿度や気温などに左右されることなく、大気中でsol-gel前駆体液を均一にコートでき、最終的に膜厚50nm程度の均一な強誘電体薄膜をSi(100)基板上に形成できた。また、X線反射率解析を用いて薄膜及び界面の構造を非破壊分析する技術の開発を行い、有用性を確かめた。
結晶化アニール時の雰囲気(O_2、N_2、H_2O/N_2、大気)がSBT薄膜の結晶化過程に及ぼす影響を調べた。アニール雰囲気によらず薄膜/基板間に界面層が形成され、その厚さはH_2O/N_2雰囲気の場合に最も厚く、750℃、60分の結晶化アニールで約8nmになることが分かった。界面層の密度(2.1-2.5g/cm^3)及び赤外分光測定から、Si基板の酸化によるSiO_X層の形成が示唆された。SBT薄膜の密度はバルクよりも低く、膜表面付近では膜中よりも低密度化していることが分かった。アモルファスやフローライト相の存在或いはBi欠損が原因と考えられる。また、H_2O/N_2雰囲気ではグレイン成長が促進されることが分かった。さらに、Au/SBT/Si構造の容量-電圧(C-V)特性にSBTの強誘電性によるヒステリシスが観測された。
BLT薄膜の結晶化では、グレイン成長と薄膜の配向性がアニール温度に依存することが分かった。温度550℃以上のアニールにより結晶性薄膜が形成でき、SBT同様に薄膜/Si界面に界面層が形成されることが分かった。強誘電性によるC-Vヒステリシスが観測され、薄膜の配向性を反映してヒステリシス特性が変化することを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Atsushi Kohno, Hideo Sakamoto, Fumitake Ishitsu, Kazuhiro Matuo: "Crystallization of SrBi_2Ta_2O_9 Thin Film on Silicon Substrates and Their Interface Structures"Transactions of the Materials Research Society of Japan. (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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