研究概要 |
3ヵ年研究計画の初年度として、強誘電性液晶を利用した導波路形光スイッチの基本要素となる液晶装荷光導波路に関する、以下の研究を実施した。 (A)液晶装荷光導波路の製作技術の確立 (1)導波路コア材料の検討 強誘電性液晶の異常光屈折率および常屈光折率のいずれよりも高い屈折率を有する導波路コア材料を検討し、成膜技術の確立を行った。また、プリズム結合法を用いた屈折率評価設備を構築し、成膜試料の評価を行った。 (2)チャネル導波路製作技術の確立 光露光技術及びドライエッチングプロセスを検討し、高屈折率コア材料を有するチャネル導波路の製作技術の確立を図った。 (3)液晶装荷光導波路の試作 紫外線硬化樹脂による基板固定法を用いた液晶注入プロセスを確立し、強誘電性液晶をクラッド層に用いたチャネル導波路を試作した。 (B)液晶装荷光導波路の評価 (1)導波特性の評価 試作素子への光の入射方法および出射光観測方法を検討し、測定系の構築を行い、波長633,850,1310[nm]の光の導波を確認し、導波特性を評価した。また、ファイバ入出力結合での素子挿入損失を評価した。 (2)印加電界の極性による出射光の偏光状態の変化 構築した出射ビーム評価設備を用いて、強誘電性液晶への印加電圧の極性による出射光の偏光状態および近視野像の変化を観測した。 得られた評価結果を製作技術にフィードバックし、プロセスの改善を図った。
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