• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

繰り返し復号に適した誤り訂正符号の代数的構成とその実用化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750279
研究機関メディア教育開発センター

研究代表者

澁谷 智治  メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (20262280)

キーワードLDPC符号 / sum-productアルゴリズム / 繰り返し復号 / 最大事後確率復号 / 巡回符号 / 変分自由エネルギー / Bethe近似 / concave-convex procedure
研究概要

低密度パリティ検査(low-density parity-check, LDPC)符号の復号アルゴリズムの一つである「sum-productアルゴリズムに基づく繰り返し復号(以下「繰り返し復号」と略記する)」は、最大事後確率復号を良好に近似することが知られている。しかしながら、符号の検査行列から一意に定まるタナーグラフ内に閉路が存在するとき、繰り返し復号の近似精度が劣化することが知られている。特に長さ4以下の閉路が多数存在する時には、その劣化の度合が深刻となる。
平成14年度の研究において、研究代表者は、巡回符号およびそれらに基づく符号に対して、長さ4以下の閉路を持たないタナーグラフを生成する検査行列を代数的に構成する手法を明らかにしている。しかしながら、これらの符号のいくつかに対して繰り返し復号を適用した場合、高SNRにおいて誤り率の改善が見られなくなる現象(エラーフロア現象)が生じることが数値実験の結果から確認された。
エラーフロア現象は、符号の最小距離、および反復復号の異常終了の原因となるタナーグラフの構造に深く関わっている。そこで、エラーフロア現象を回避する手法を開発するため、本年度は以下のような研究を行った。
1.タナーによって提案された、タナーグラフによって定まる符号の最小距離の下界の精度について検討し、従来の代数的符号理論で得られている最小距離の下界(BCH下界)との関連について検討を行った。その結果、タナーの下界とBCH下界とが一致するいくつかの場合を指摘することに成功した。
2.従来の反復復号とは異なった原理に基づく復号方法である、自由エネルギーのベーテ近似に基づく復号方法を開発し、それがエラーフロア現象の回避に極めて有効であることを数値的に示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Shibuya: "Construction of cyclic codes suitable for iterative decoding via generating idempotents"IEICE Trans.On Fundamentals. Vol.E86-A no.4. 928-939 (2003)

  • [文献書誌] T.Shibuya: "On Tanner's Lower Bound for the Minimum Distance of Regular LDPC codes Based on Combinatorial Designs"IEICE Trans.On Fundamentals. Vol.E86-A no.10. 2428-2434 (2003)

  • [文献書誌] T.Shibuya: "Performance of a decoding algorithm for LDPC codes based on the concave-convex procedure"IEICE Trans.On Fundamentals. Vol.E86-A no.10. 2601-2606 (2003)

  • [文献書誌] T.Shibuya: "On a decoding algorithm for LDPC codes based on the concave-convex procedure"Proc.Of ISIT 2003. 148 (2003)

  • [文献書誌] T.Shibuya: "Fast Implementation of CCCP-based decoding algorithm for LDPC codes and an evaluation of its error performance"Technical Report of IEICE. IT2003. 35-40 (2003)

  • [文献書誌] 渋谷 智治: "LDPC符号の最小距離の評価 -Tannerグラフに基づく解析手法について-"2003年電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ大会予稿集. (CD-ROM). TA-3-3 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi