研究概要 |
本課題は,検索・編集に適したインタレース映像情報の符号化において,その利用形態の違いによって生じる諸間題を統一の符号において解決することを目的とし,この問題を解決するために可逆デインタレース処理という独特な技術の適用を検討し,評価・改善を行っている. 1 今年度の研究概要 今年度は,可逆デインタレース処理の性能改善および効果的実装の検討を行った.性能改善については,画像の局所的性質に適応させた可変係数型処理および画像符号化国際標準JPEG2000と共に利用した場合におけるそのレート歪み制御ための周波数重み補正法の提案・評価を行った.効果的実装については,JPEG2000で採用されているウェーブレット変換のリフティング実装への組み込みについて提案・検討し,ハードウェア記述言語によるモデル化およびその評価を行った. 2 今年度の研究成果 これまでの研究の結果より,固定係数型の可逆デインタレース処理では,低ビットレート復号時にはちらつきの抑圧が可能であるものの,高ビットレート復号時には逆変換により復元される画像の画質が犠牲となることを確認していた.今年度は,ちらつきの抑圧性能を維持しつつ,復元画像の画質向上を達成できた.この点で,可変係数型および周波数重み補正法が有効であることを確認した.また,実装面においても現実的な規模で十分に実時間処理が可能となることをシミュレーション等により確認した. 3 今後の研究の展開 画質改善および効果的実装について更なる検討を続ける.可変係数型の場合,制御パラメータ情報の扱いに関しては工夫の余地がある。また,提案手法のFPGAなどの実機への実装,実時間処理による主観評価,パラメータなどの最適化に検討の余地がある.これらと共に本研究の具体化に焦点を置くことを考えている。
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