研究概要 |
本年度は,既に得られている成果を実際にPCを用いて実装し,まず検証を行った.これと合わせて,構築した楕円曲線暗号の安全性の検証を行うことを兼ねて,研究会に数多く参加した. 本年度の研究活動として特記すべき成果は,以下の通りです. ・PCを用いて実際に実装できた. ・16ビットマイコンを用いて実装できた. ・上記の成果を岡山で行われた全国マルチメディア祭に「電子投票の疑似体験」と称して出展できた. ・国際学会をはじめ,、今回の研究の成果を数多くの研究会で発表し,安全性の検証を行った. 理論的な研究成果としては,暗号化,復号を高速に,かつコンパクトに実装できることはこれまでに得られた成果であり,本年度の研究ではその実装(PC,マイコン)を試みた.さらにその上で,安全な楕円曲線暗号の組織的な構築法を確立できつつある.というのは,国際学会においても発表したが,楕円曲線暗号に適した安全な楕円曲線を数多く,高速に生成できる手法を開発できたので,これにより数多くのユーザに対してもリアルタイムにその提供ができるようになる.より具体的には,暗号解読が可能となり危険であるとされる楕円曲線が学会等で例えば発表されたような場合に,我々の成果を用いて即座に次の安全な楕円曲線に乗り換えることが可能となることが期待できる.来年度は,この安全な楕円曲線の高速生成も含めて,全体的なシステムの構築を試みる予定である.
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