研究概要 |
本年度は3つのテーマをおこない,次の結果を得た テーマ1:反応拡散方程式によるモデル作成と確率共鳴現象による出力信号変化の研究 1.ニューロンによる信号処理をモデル化したFitzHugh-Nagumo方程式を拡張した非線形反応拡散方程式の数値シミュレーションを作成した.その結果,チューリング不安定条件によって自己組織的に生成される空間パターンが安定に存在するためのパラメータ設定に関する知見を得た. 2.非線形反応拡散方程式の数値シミュレーションに図地分離対象画像とノイズを入力し,ノイズを変化させた時の出力画像のS/N比を測定した.その結果,ノイズ強度と得られるパターンの関係に関する知見を得た. テーマ2:ステレオ対応問題・速度場計測への応用 1.従来のNomuraらの手法を拡張しステレオ対応問題を図地分離問題へ変換する仕組みを考案した.その結果,ランダムドット画像を対象とした従来の手法に対し,通常のモノクロ画像においても同様な図地分離問題へと拡張するための知見を得た.また人間の視覚特性を計測し,ステレオ法によって得られた奥行き情報を元に,人間の知覚している3次元世界を再合成する技術を開発した.また,勾配法による速度場計測手法を拡張し,非線形反応拡散方程式を応用するための基礎技術を開発した. テーマ3:カメラコントロールシステムの製作と非線形反応拡散方程式の数値シミュレーションとの統合 1.パン・ティルト・ズームが可能な雲台上にCCDが設置されたカメラと,それらをコントロールし同時に動画像を取り込むパーソナルコンピュータから構成されるカメラシステムを構築した.
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