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2002 年度 実績報告書

2元線形ブロック符号のトップダウン型再帰的最尤及び準最尤復号法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750304
研究機関広島市立大学

研究代表者

甲本 卓也  広島市立大学, 情報科学部, 講師 (00336918)

キーワード再帰的復号法 / 逐次復号法 / 最尤復号法 / トップダウン型復号法 / 2元線形ブロック符号 / リード・マラー符号 / 拡大BCH符号 / 拡大QR符号
研究概要

2元線形ブロック符号の新しい復号法を考案し、計算機シミュレーションにより有効性を示した。まず、リード・マラー符号(RM符号)の構造的特長を利用して、最小重み符号語だけに関するトップダウン型再帰的最尤探索アルゴリズムを繰り返し用いる形式の準最尤逐復号法を考案し、従来困難とされていた符号長256のRM符号に関する計算機シミュレーションを可能とし、その結果、既存の復号法に比べて少ない計算複雑さにて低い誤り率が実現されることを示した。また、当該復号法の改良に関する研究を進め、誤り率をほとんど劣化させることなく計算複雑さを減少させる拡張方法を考案し、符号長512のRM符号に関して既存の他の復号法に比べて低い誤り率を実現できることを示した。計算複雑さに関しては、既存手法のデータが明確でないため直接比較ができていない。この一連の研究により、トップダウン型復号手法の明確な有効性を確認できた。
続いて符号の構造をあまり利用しない形式の最尤復号法として、順序統計量を利用したトップダウン型再帰的最尤復号法を考案し、従来は簡単でないまたは困難とされていた符号長128かつ符号化率1/2の良く知られた3種類の符号(RM符号、拡大BCH符号、拡大QR符号)に関する計算機シミュレーションを可能とし、その結果、RM符号に関しては従来に比べて高精度の、他の符号に関しては初めて最尤復号法の誤り率を示した。この研究により、同一パラメタ(符号長128、情報ビット数64)の符号に関する最尤復号法の誤り率が明確になり、直接比較が可能となった。これにより、従来から言われていた、「同一パラメタの符号においては最小距離が大きいほど最尤復号法の誤り率が小さくなる」という説が、当該の3つの符号に関しても成立することが確認され、当該パラメタに関しては「拡大BCH符号よりも拡大QR符号の方が最尤復号法の誤り率が小さくなる」という説をシミュレーション結果から否定することができた。
現在、符号の構造を利用した再帰的最尤復号法のアルゴリズムの考案を終わり、計算機シミュレーションの実装を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.Asatani, K.Tomita, K.Koumoto, T.Takata, T.Kasami: "A Soft-decision Iterative Decoding Algorithm Using A Top-down and Recursive Minimum Distance Search"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. Vol E85-A No 10. 2220-2228 (2002)

  • [文献書誌] T.Koumoto, T.Kasami: "Top-down Recursive Maximum Likelihood Decoding Using Ordered Statistic Information"Proceedings of the IEEE Information Theory Workshop Bangalore, India. 202 (2002)

  • [文献書誌] J.Asatani, T.Koumoto, K.Tomita, T.Kasami: "A Reduced Complexity Soft-decision Iterative Decoding of Reed-Muller Codes Based on A Suboptimal Minimum Distance Search"Proceedings of the International Symposium on Information Theory and Its Applications Xi'an, China. 139-142 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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