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2003 年度 実績報告書

2元線形ブロック符号のトップダウン型再帰的最尤及び準最尤復号法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750304
研究機関広島市立大学

研究代表者

甲本 卓也  広島市立大学, 情報科学部, 講師 (00336918)

キーワード2元線形ブロック符号 / 再帰的最尤復号法 / 十分条件 / 適応的アルゴリズム / 最小重み探索
研究概要

2元線形ブロック符号のトップダウン(適応)型再帰的最尤および準最尤復号法を考案し、アルゴリズムの有効性を計算機シミュレーションにより示した。従来、最尤復号法の効率的なアルゴリズムとしてはトレリスダイアグラムを用いるヴィタビ復号法が広く知られていたが、実行に際して必要な加算、比較といった演算の回数と記憶容量の問題から、構造がよく知られた2元線形ブロック符号においても符号長64程度までしか計算機シミュレーションによる誤り特性の解析ができなかった。
本研究では符号の持つ再起構造に着目し、従来法には無い、次に示す改善を具現化可能なアルゴリズムを考案した。第一に加算に関して、再利用される可能性のある加算結果をメモリに格納し、必要に応じて計算済み結果を再利用し、加算に関する重複計算を完全に除去した。この改善点の実現に伴い、メモリ使用量は増加するが、適応型アルゴリズムとして実現しているため、従来法に比較しても総合的には大きな問題にはなっていない。
第二に比較演算に関して、従来法では同じ比較演算が複数の箇所に散在していることが多く、演算の種類が加算の結果の種類の概ね2乗に達するため、比較演算が同一かどうかの判定が簡単ではない。そめため、重複した比較演算が従来法には多数含まれていたが、提案アルゴリズムでは、符号の構造に関する情報を利用することにより、比較演算の重複箇所そのものを理論的に特定し、可能な限り共有することにより、従来法で大きな問題となっていた比較演算の数を劇的に削減することに成功した。
第三に、従来法では最適化問題の解法をまじめな総当り的手法によって実現しているため、加算、比較といった演算の回数は、入力系列に無関係に固定的な数値となっていた。提案アルゴリズムでは、枝刈りの手法を最大限活用することにより、入力系列に加えられている雑音の大きさに応じて計算量が変化するようにしている。つまり、雑音が小さな入力系列に対する復号は早く停止するため、平均計算量の低減が可能となっている。
以上のような改善に関するコンセプトを実現した最尤復号法および最小重み探索を用いる準最尤復号法のアルゴリズムとして考案し、ソフトウエア実装した。最尤復号法に関しては、よく知られたいくつかの符号として、(128,64,16)RM符号、(128,64,22)拡大BCH符号に関して数値演算シミュレーションにより、精度の高い誤り制御特性を初めて得るとともに、平均的計算量に関して、ヴィタビ復号法などの従来法と比較して劇的な低減が実現されることを示した。また準最尤復号法に関しては、いくつかの符号長256および512のRM符号に関して、優れた誤り制御特性と小さな平均計算量を実現する優れた復号法であることを示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] J.Asatani, T.Koumoto, K.Tomita, T.Kasami: "Reduced Complexity Iterative Decoding Using a Sub-optimum Minimum Distance Search"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. Vol.E86-A, No.10. 2596-2600 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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