研究概要 |
実施計画に従い、ワイヤレスインターネットにおける品質制御技術に関する以下の検討を行なった。 (1)有線・無線混在環境下に適した輻輳制御アルゴリズム a.明示的ハンドオーバー通知を用いたモバイルネットワークにおけるTCP特性改善方式:前年度提案を行った、モバイルネットワークにおける明示的ハンドオーバー通知を用いたTCPの特性改善方式を発展させ、制御パケットの転送時間の計測に基づくドメイン移動直後の輻輳ウィンドウの初期値設定方式を提案し、シミュレーションによって有効性を明らかにした。そして、前年度の成果と合わせて,国際学会に投稿し、採録されると共に(IEEE WCNC 2004)、国内英文論文誌への投稿を行った。 b.アドホックネットワークにおけるマルチパスルーティング:前年度提案を行った、ソースルート情報を活用したアドホックネットワークにおけるマルチパスルーティング方式を発展させ、遅延、ホップ数、マルチパスルートの分離性を複合尺度とするマルチパスルーティング方式を提案し、シミュレーションによって、提案方式のUDP転送効率改善と制御パケット数削減に関する有効性を明らかにした。そして、成果を国際学会と国内英文論文誌に投稿した。 c.アドホックネットワークにおける輻輳制御技術、マルチキャスト配信技術に関する検討を開始した。 (2)モバイルIP、アドホックネットワーク統合プロトコル 将来のユビキタス環境を想定し、安定した基地局直下の移動のみを対象とするモバイルIPプロトコルと、基地局を持たない自律分散移動網を対象とするアドホックネットワーク用プロトコルを統合したプロトコルについて検討を行い、従来方式の問題点を明らかにすると共に、ノード密度に応じてルータ広告メッセージの転送間隔を制御するプロトコルの提案を行った。そして、成果をまとめて国内研究会で発表を行った。
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