研究課題
本年度は、研究代表者が提案した、バンクマシンの音響信号情報を用いた実用的な疲弊札判別システムを構築することを目的に、1.バンクマシン内部の紙幣音発生形態の調査2.紙幣の振動による紙幣音発生メカニズムの解明3.非定常信号処理による紙幣音の特徴抽出手法の開発について、前年度までに実施した上記研究目的の1.から3.までの研究結果を総括するとともに、これらの実用化を目指して、本研究の最終目標である、4.ワンチップマイクロプロセッサシステムを用いた、バンクマシンに組み込み可能なスタンドアロン疲弊紙幣判別システムの開発を行った。このうち1.については、新たな紙幣音発生形態として、紙幣搬送時に起こるたわみを利用した引張音を用いた疲弊札判別法が有用であるとの知見を得て、その成果を国内学会にて発表した。2.については、構築した計測システムにより、紙幣の振動の概略は得られたものの、その計測速度の限界から、音響信号発生につながる詳細な振動様態を得ることができなかった。このことから、紙幣の振動様態を計測するための画像計測の必要条件が明らかとなった。3.については、ウェーブレット成分からなる音響特徴量の識別を高精度化する手法を新たに開発し、その成果を国際会議にて発表した。本研究の最終目標である4.の疲弊札判別システムについては、ハードウェア部分の実装と実働試験を完了した。また、ソフトウェア部分では、紙幣音響信号の計測部分は完成し、オフラインではあるが、特徴量の計算および疲弊札の判別が可能となった。現在、ソフトウェアの全ての部分をオンライン化すべく開発を継続中である。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
第48回システム制御情報学会研究発表講演会講演論文誌
ページ: 13-14
Proc.of 8th WSEAS International Conference on Circuits, Systems, Communications, and Computers (CSCC 2004)
ページ: 487-408
平成16年 電気学会 電子・情報・システム部門大会 講演論文集
ページ: 843-848