研究概要 |
シールド板の近傍界シールド効果は、測定距離,波源の向きによって異なることが知られている。他の研究者によって、波源が電気ヘルツダイポールまたは磁気ヘルツダイポールの場合において、シールド板に対して垂直または平行に配置された場合の電界または磁界や近傍界シールド効果が測定距離の指数に比例することが理論解析的に報告されている。そのために、シールド板の近傍界シールド効果は、測定法によって測定距離,波源の向きやシールド板の大きさが異なるために、測定法を指定して評価されなければならない。 本研究者は、近傍磁界シールド効果評価法の統一を目指して、励振整合されたループを励振・検出用のアンテナとして用いた測定法を提案した。この測定法により、波源周波数が1MHzにおける近傍磁界シールド効果の距離特性や円形シールド板によるシールド効果の測定に成功している。 本研究では、理論式が示す距離特性の妥当性をより高めるために、更に、波源周波数が2MHzの場合の磁界シールド効果を測定した。シールド効果のその他の特性を知るためにシールド板が異なる形状の場合のシールド効果を測定によって比較した。また、円形に切断されたシールド板を回転楕円体(饅頭を潰した形)とみなす理論解析方法を検討した。 測定結果から、波源周波数が2MHzの場合においても、理論式が示す、磁界または磁界シールド効果の距離特性を確かめることができた。同面積の円形および正方形のシールド板の磁界シールド効果はほぼ同じシールド効果を得ることが分かった。また、円形シールド板を完全導体の回転楕円体とみなして理論解析を行った。
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