研究概要 |
スピングラス型遺伝アルゴリズム(Spin Grass Genetic Algorithm ; SGGA)の基本的な構成について検討しその定式化を行った.具体的には並列GAの一つであるセルラーGAの構造を用いてSGGAにおける交叉・突然変異・選択の3種類の遺伝演算子を,申請者がこれまで研究してきたセルラー熱力学的遺伝アルゴリズムを参考にして定義した.この際に,並列化を考慮し,将来的に並列コンピュータ上でのSGGAの数値計算を可能とした.次に,スピン系における相互作用のGA上での表現法についてイジングモデルやSKモデルを参考として定めた.また,SGGAが持つGAとしての探索能力をNP困難問題を例題とし,熱力学的遺伝アルゴリズム(Thermodynamical Genetic Algorithm ; TDGA),セルラーGA(Cellular GA ; CGA),セルラーTDGA(CTDGA)との比較数値実験を通して確認した.その結果従来手法に大きく優越する結果が得られた. また,スピングラスの特性を遺伝子表現に応用したスピングラス型個体表現を新たに提案し,種構造を導入したCGAおよびエネルギーを導入した人工環境に関する研究に適用し有用性を示した.エネルギーを導入した人工環境に関する研究では従来の固体表現に比べて多様な個体の発現を確認できた.
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