厳密解の許容誤差を考慮した制御系設計のためのBMI問題の厳密解法の研究を行った。厳密解の許容誤差と制御対象のモデル誤差の関係を導くために、平成15年度は具体例として2自由度PID制御系設計問題を扱った。 一般的なBMI問題を解くには、その問題から派生するBMI最大固有値最小化問題を繰り返して解く必要がある。BMI問題の解を固定し、BMI最大固有値最小化問題を解いたとき、得られた解が0以下であれば、元のBMI問題に解が存在することがわかる。ことのき、BMI最大固有値最小化問題の最適解が0以下出なく、ある値ε(<0)以下であるようにとけば、BMI問題の許容誤差をある程度大きくしても良い解が得られることがわかった。また、このようにして得られた解の精度はBMI問題のラグランジュ緩和問題を導くことである程度見積もれることもわかった。 しかし、一般的な厳密解の許容誤差と制御対象のモデル誤差の関係を導くには至らなかった。これは今後の課題である。 本研究では多くのBMI問題を解く必要があったため、本研究に付随する研究として並列分枝限定法の研究を行い、並列分枝限定法を実装した。これにより複数のPCを用いて並列にBMI問題が解けるようになった。8台のPCで解いた場合、1台のPCで解くよりも5倍程度の速さで解ける。この並列分枝限定法の実装により、BMI問題の厳密解法の研究効率の向上が期待される。
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