研究概要 |
本研究では、非線形時変システムを制御対象として、ニューラルネットワークを用いて、システム同定を行い、これに基づいたコントローラを設計する方法について検討した。前年度は、PID制御方式によって本研究課題を実現する方法を考察し、非線形時不変システムに対して有効な結果を得ることができた。今年度は、この結果を元に、最小2乗法を併用して、時変システムに対処することを検討した。まず、最小2乗法のみを用いて、非線形システムに対処する方法を、第3回制御部門大会にて発表し、次に、前年度考察した方法と最小2乗法を併用する方法を平成15年度電気学会,電子・情報・システム部門大会にて発表した。この方法は、最小2乗法を用いて、制御対象の大まかな特性を把握した上で、ニューラルネットワークを用いて細かい特性を推定するものであり、パラメータの変動する範囲を限定することができるため、実用上有用であると考えられる。また、非線形システムをいくつかの局所モデルによって表現する方法を提案し、第12回計測自動制御学会中国支部学術講演会にて発表した。さらに、この局所モデルの切り替えをニューラルネットワークの一種であるRBFネットワーク(ラジアル基底関数ネットーワーク)によって行う方法を、第4回適応学習制御シンポジウムにて発表した。この方法は、事前情報によって得られたパラメータを有効に活用でき、コントローラの安定性も優れているという特徴がある。さらに、非線形時不変システムに対する結果までを、The 29th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Societyにて発表し、現在、論文投稿中である。
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