研究概要 |
本研究は,月・惑星表面などの自然地形を自律的に移動するロボットの経路を確率的に生成する手法に関するものである.自然地形のセンシングには大きな誤差が含まれるため,ロボットが持つ周囲の地形は,遠くになるほど不正確となる.これまでに筆者が提案してきた自然地形における最適経路計画手法は,正確な地形図が得られることを前提としているため,実際の移動ロボットへの適用に問題が残されていた.この手法をさらに発展させ,地形図と最適化に用いる評価関数を確率表現することによって,最もエネルギが小さくなるであろう経路や最も安全であろう経路を生成させる.このため,本年度では以下の項目に関して研究を行った. (1)小型ロボットへのインプリメント 5輪ロボットMICRO5に本提案手法をインプリメントし,実際に動作させた. (2)短距離フィールド試験 ゴールまでが見通せる程度の小規模な地形において,ロボット搭載装置のみを使用して自律移動実験を行った. (3)長距離移動手法の開発 長距離移動のためのロボットシステムとして,前回作成した地図の更新や搭載コンピュータによる自己位置同定など,いくつかの別な技術を統合した搭載ソフトを作成し,実際に動作させた.
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