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2003 年度 実績報告書

コンクート用補修材の経時変化ならびに接合部の制御に着目した補修部材の性能改善

研究課題

研究課題/領域番号 14750388
研究機関岐阜大学

研究代表者

国枝 稔  岐阜大学, 工学部, 助手 (60303509)

キーワード断面修復材 / 靭性 / ひび割れ追従性 / 数値解析 / 付着
研究概要

本研究では,現在市販されている断面修復材の靭性を確認するため試験方法を提案し,各材料の性能評価を行った。
(1)対象とした断面修復材の破壊は,最大荷重以降に急激に荷重が低下した後,繊維の架橋効果により荷重を持続しながら開口していくものと,架橋効果の少ないもの2種類に分類できた。
(2)得られた曲げタフネスの値には,普通コンクリートのそれと同程度かそれ以下のものがあった。その理由は,繊維の混入量が少ないこと,モルタルベースの断面修復材では,粗骨材による靭性向上が期待できないことによるものと考えられる。
(3)曲げタフネスの計算に用いるひび割れ幅を小さくすると,たとえ靭性が小さくても最大荷重の大きな断面修復材において曲げタフネスが大きく評価されてしまうことが分かった。
また,高靭性セメント複合材料(DFRCC)を断面修復材として用いることを想定し,断面修復材の靭性の違いや,模擬ひび割れの有無ならびに付着損失領域の有無をモデル化した数値解析により,以下の結論が得られた。
(4)本解析にて対象としたDFRCCの場合,断面修復材の靭性が補修部材の荷重-変位曲線に及ぼす影響は,付着損失領域を設けた場合に顕著であった。
(5)補修供試体下面にて計測(計算)されたひずみ(検長50mm)によると,模擬ひび割れが有る場合,断面修復材の引張強度時ひずみε_uの入力値よりも小さなひずみ時に部材が終局状態となっていた。このことは,模擬ひび割れが破壊の局所化を誘発しているものと考えられる。
(6)付着損失領域を設けたところ,DFRCCモデルでは荷重-変位曲線の終局変位が大きくなり,ひび割れもより広い範囲で分散した。一方,FRCモデルでは,付着損失領域の有無が荷重-変位曲線ならびにひび割れ性状に及ぼす影響は小さかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 国枝稔, 宮田良大, 鎌田敏郎, 六郷恵哲: "断面修復材の靭性が補修部材のひび割れ分散性に及ぼす影響"コンクリート工学年次論文集. Vol.25, No.1. 1517-1522 (2003)

  • [文献書誌] 国枝稔, 江口和雄, 宮川豊章, 小柳洽: "断面修復材の曲げ靭性の評価に関する共通試験"コンクリート構造物の補修,補強,アップグレード論文報告集. Vol.3. 143-148 (2003)

  • [文献書誌] 国枝稔, 森川秀人, 鎌田敏郎, 六郷恵哲: "高靭性セメント複合材料を用いた補修部材のひび割れ分散性に関する解析的検討"JCI高靭性セメント複合材料に関するシンポジウム論文集. 47-54 (2003)

  • [文献書誌] M.Kunieda, T.Kamada, K.Rokugo, J.E.Bolander: "Localized Fracture of Repair Material in Patch Repair Systems"Fracture Mechanics of Concrete Structures, Proc.of FRAMCOS5. (未定). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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