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2002 年度 実績報告書

ベントナイトの変質機構の解明とその長期挙動の予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750392
研究機関香川大学

研究代表者

吉田 秀典  香川大学, 工学部, 助教授 (80265470)

キーワードNa型ベントナイト / 長期変質 / 乾湿繰り返し / 高アルカリ環境下 / 高温環境下 / XRD測定 / 膨潤試験 / イオン交換
研究概要

高レベル放射性廃棄物最終処分において,天然バリアと人工バリアの間に設置されるとされている緩衝材に関してはNa型ベントナイトが念頭に置かれて研究が進んでいる.高レベル放射性廃棄物に処分においては,(1)地下深度が非常に深い=高圧下,(2)一時的とは言え,高温になる可能性が大,(3)処分が長期に及ぶため,物質間の相互作用がありうるため,これらについて充分に検討する必要がある.緩衝材についても,高圧下,高温下での変質,天然に存在する物質,あるいは吹付けコンクリートなどに代表される人工構造物中の物質との相互作用などについて充分に検討しておくことが必要である.そこで本研究ではNa型ベントナイトを用い,乾湿および高アルカリの条件下でその変質メカニズムを捉えていくのが本研究の目的である.
研究初年度は,まず,過去の研究事例より,ベントナイトの主成分であるモンモリロナイトが水分の影響を受けることが分かっているため,乾湿による影響を調査した.XRD測定(X線滑回折測定)の結果,Na型ベントナイトは2層の水分子層を含んだ構造のピークがなくなり,層間に水分子なしの状態の構造あるいはイライトのピークを示すのピークが現れた.しかしながら,この現象の大半は可逆的な変化で,再び空気中に放置すると,時間はかかるが元の状態に近づくことが判明した.
次に,Na型ベントナイトはアルカリ溶液下に浸漬した場合,pH11以上で変質が起こり,Ca型化やモンモリナイトが消失することが知られていることから,本研究では,強アルカリ溶液下で,かつ80℃という比較的高い温度の環境下において一定期間浸漬させた試料に対して,XRD測定および膨潤試験を実施した.高アリカリ溶液にベントナイトを浸漬することにより,1層と2層間での水分子層の脱離や吸着が起こり,また,膨潤力も低下した.これより,ベントナイト試料の一部は,高アルカリ環境下において構造変化を起こすことが判明した.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 松本直通, 吉田秀典: "強アルカリ下におけるベントナイトの変質に関する基礎実験"第58回土木学会年次学術講演会講演概要集. (投稿中). (2003)

  • [文献書誌] 吉田秀典, 和田光真: "初期欠陥がコンクリートの破壊に及ぼす影響に関する数値解析的研究"日本コンクリート工学年次論文報告集. Vol.25(掲載決定). (2003)

  • [文献書誌] 沖野旨郁, 堺孝司, 吉田秀典, 真鍋忠晴: "鉄筋コンクリート床スラブの長期たわみに関する有限要素解析"日本コンクリート工学年次論文報告集. Vol.25(掲載決定). (2003)

  • [文献書誌] 吉田秀典, 高橋恵介, 堺孝司: "超音波法を用いたコンクリートのひび割れ深さの同定に関する研究"土木会論文集. (掲載決定). (2003)

  • [文献書誌] 吉田秀典, 竹下智正, 堺孝司, 真鍋忠晴: "地震時におけるアンボンドスラブの挙動評価に関する簡易手法の提案"構造工学論文集. Vol.49B. 235-242 (2003)

  • [文献書誌] 松本直通, 吉田秀典: "Na型ベントナイトの熱及び乾湿に対する影響のXRD測定での分析"第57回土木学会年次学術講演会講演概要集. CS10-050. 481-482 (2002)

  • [文献書誌] 吉田秀典(共著): "ロックメカニクス"技法堂出版社. 230 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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