研究概要 |
先端改良型遮音壁の中には,耐風安定性の上で好ましくない周期渦の発生を促す恐れのある先端形状が多く見られるが,フェアリングプレート型遮音壁は高架橋への設置時において,高架橋の耐風安定性を向上させる効果がある.本研究では,フェアリングプレート型遮音壁の遮音性能について数値シミュレーションにより検討し,フェアリングプレート上面への吸音材の設置により高い遮音性能が得られることをすでに明らかにした.本年度は,フェアリングプレート型遮音壁による耐風安定性を損なうことなく遮音性能を向上させることを目的として,フェアリングプレートの上方に補助プレートを設置する手法について検討した.その結果,以下の知見が得られた. (1)補助プレートの長さと位置の違いにより,遮音性能が大きく異なる. (2)補助プレートとフェアリングプレートの間隔は遮音性能にあまり影響しない. (3)補助プレート端部が音源からの直接音の回折点となる場合は,補助プレートとフェアリングプレートの間に音が入り込み,反対側の端部から受音点領域に音が放出されることによって遮音性能が低下する. (4)フェアリングプレート端部が音源からの直接音の回折点となる場合は,フェアリングプレート上面での反射・散乱を抑制することで高い遮音効果が得られる. (5)補助プレート全面に吸音材を設置することで高い遮音効果が得られる. (6)補助プレート全面に吸音材を設置した場合,フェアリングプレート上面に吸音材を設置しても遮音性能はほとんど変化しない.
|