研究概要 |
繰返しせん断中の給排水を制御できるオンライン実験システムの開発にあたり本年度はシステムを構成する装置と計測制御環境を整えることに重点をおいた.せん断試験装置として中空ねじりせん断試験装置の仕様を決定し,導入した.中空ねじりせん断試験装置は土質試験において近年多く用いられているが,オンライン実験システムに最適なものとするために,せん断ひずみをデジタル制御できるようにスッテッピングモーターを用いて載荷軸をベルト駆動する形式とした.給排水の制御に関しては,給排水制御装置の仕様を決定し,導入した.給排水における流量がデジタル制御できるようにステッピングモーター+精密位置決めレールを基本とし,十分な制御分解能が確保できる仕様とした.これらの装置を用いて供試体作成時の背圧載荷や圧密試験,さらには任意のせん断ひずみ制御または応力制御試験およびその計測が1台のパーソナルコンピューターで可能となるようなシステムを構築した. 繰返しせん断中の給排水を制御できるオンライン実験プログラムの開発状況に関しては現時点ですでにコーディング済みである.装置およびプログラムの検証に関しては,本年度は装置の精度の検証に重点をおいたことから,きれいな砂を試料として給排水を制御しない非排水条件下での実験を行い,既往実験結果との比較から,これらの装置が十分な精度を有していることを確認した.また様々な地震波を入力して不規則繰返しせん断履歴が作用した場合の砂の非排水条件下における応力ひずみ関係や過剰間隙水圧上昇特性に関する基礎データを蓄積した. 平成15年度は給排水を行った条件下における砂のせん断変形特性に着目した実験を行うことで,非排水条件の実験結果との違いについて考察を行う予定である.
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