研究概要 |
平成14年度においては,以下に記す(1)〜(6)の研究を進めた.以下に詳細を記す. (1)欧州の航空市場における小型機材の運行状況の調査:国際航空時刻表を用いて,調べた結果,現在小型機材による運行が為されている路線は,主に国内路線であることが明らかとなった.しかしながら,近距離の国際路線においても小型機材による運行が為されている路線もあることが分かった.これを受け,わが国の国内航空市場においても,小型機材による運行が将来的には可能であることが確認された. (2)アンケート調査の対象路線の抽出:旅客の小型機材の利用に対する抵抗感と頻度増加による利便性向上の間のトレードオフの関係を分析するため,アンケート対象路線には,現在既に小型機材による運用が実施されている路線を含めることが必要である.そこで運行機材の状況を調査し,名古屋空港をはじめとする空港が調査を実施するに適当な空港であることを明らかにした. (3)アンケート調査表の作成:(1)航空旅客需要の発生時間分布を把握するための調査項目,(2)小型機材利用に対する抵抗意識に関する調査項目を含めて調査票を作成した. (4)プレ・アンケートの実施:意識調査のプロファイルの確認のため,プレ・アンケートを行った. (5)アンケート調査の実施:調査票を直接被験者に配布し,後日郵送回収とする方式の調査を行った. (6)航空機材に対する選好意識分析:アンケートの回答結果をデータ化し,このデータを用いて航空機材の選択行動モデルを推定した.パラメータ推定には,旅客の選択行動がランダム効用理論に基づく効用最大化に基づいて行われているという条件を設定し,ロジット・モデルを適応して推定を行った.モデルの推定精度の向上に向け,モデル式形や説明変数に関して検討している最中である.
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