半島地域における交通行動実態を解明するための交通ダイアリー調査を実施した。対象地域として、従来のパーソントリップ調査の対象とならなかった小都市とその後背地に立地する町村とのつながりを重視し、御坊市および日高郡10町村を調査対象市町村として選定した。調査規模としては、各市町村の実態が十分に推計できる抽出率を考慮し、対象11市町村において599世帯(抽出率2%)に調査票を配布した。 調査票の形式としては、ダイアリー形式による1週間連続調査を行い、一部パーソントリップ形式による2日間の調査もおりまぜた。調査期間は、2002年10月15日(火)〜10月21日(月)までの1週間とした。訪問留置、訪問回収の方式により、回収世帯数は535世帯(回収率89.3%)、有効回答世帯数は375世帯(有効回答率62.6%)、有効回答個人票数904票であった。 本年度は、平日(10/16(水))、休日(10/20(日))の2日間のデータを用いて交通手段、目的、目的地を年齢層別に平日、休日ごとに集計、比較する基礎集計を実施し、対象11市町村における基礎的な交通行動の実態を明らかにした。 また、半島地域の交通行動の一側面として、観光交通に関わる交通行動実態の分析も進めており、既存調査データを用いることによって南紀熊野地域における観光周遊行動の実態について、観光客の特性、観光周遊パターンと利用交通手段、訪問客数との関連性、観光地の選択要因などを明らかにした。
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