平成14年度は、フレッシュモルタルのレオロジー性質の変化について実験的に検討したところ、以下のような知見を得た。 1.せん断力を受けるモルタルのレオロジー性質の変化パターン せん断力を与えた時に、せん断力の大きさと与えている時間に比例して変化していくフレッシュモルタルの性質をレオロジーの観点から実験的に検討した。コンシステンシー座標上では、せん断力を与える前後のコンシステンシー曲線は交点を持っており、この交点における応力状態は、試料が受けるせん断力の大きさに強く影響されていることが分かった。そのため、ポンプ圧送のように、ほとんど試料に作用するせん断力が変化しない場合は、1点を中心にコンシステンシー曲線が変化するため、変化を予測することが可能であることが分かった。 2.時間経過によるモルタルのレオロジー性質の変化パターン 練り上がりから、時間経過とともに変化していくフレッシュモルタルの性質をレオロジーの観点から実験的に検討した。コンシステンシー座標上で、時刻tと時刻t+Δtのコンシステンシー曲線の交点を検討したところ、この交点のひずみ速度がだんだん小さくなることが分かった。そこで、交点のひずみ速度が一定速度が小さくなるモデルを提案し、実験結果と比較したところ、非常に良い相関を得た。
|