研究概要 |
I バレーボール競技者を対象としたアンケート バレーボール競技者を対象に以下のようなアンケートを実施した.(1)競技ポジション,(2)普段どのような体育館で練習しているか,(3)照明が邪魔と感じた経験はあるか、またそれはどのようなときか,(4)照明に関して、プレーしやすかった又は、しにくかったと思う体育館,(5)その他.アンケートの結果から,競技のレベルによらず,約9割の競技者が体育館照明をプレーの障害と感じたことがあり,またその障害は,スパイク時とオーバーパス時に集中することがわかった. II 体育館の調査 アンケート調査の結果に登場した体育館について,調査を実施した.調査項目は(1)体育館の規模(フロア面積、天井高さ),(2)竣工年度,(3)照明形状,(4)照明の配置,(5)バレーボールコート上の照度と照度均斉度,(6)照明の輝度である.調査の結果,「使いにくい」とされた体育館は規模が小さく,高輝度面(照明)の見かけの面積が大きな体育館が多かった.また,「使いにくい」と「使いやすい」体育館の照明環境(床面照度分布,照明均斉度)に大きな差異は認められなかった.とくに照明均斉度に関しては「使いにくい」とされた体育館のほうがよい結果となり,体育館の『使いやすさ』が通常の照明インデックスでは表現できないことがわかった. III 競技者の視線追跡手法の開発 視線動解析システムの開発を行った.二台のCCDカメラから構成される二台同期デジタルカメラ動画入力システムを使用し,同時刻(20Hzで撮影)の画像を取得(長さは数秒程度),画像内のボールと頭部を自動追跡する手法を開発した.この手法を用い,バレーボールのスパイク時とオーバーパス時のボールと競技者頭部の軌跡を追跡し,競技者の視線が体育館壁面のどの部分に集中するかを解析した. これらの結果は,日本建築学会北海道支部研究報告集と日本建築学会学術講演会に発表予定である.
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