研究概要 |
1.局地気象予報データの自動収集プログラムの開発 日本気象協会から842地点の局地気象予報データを自動収集するプログラムを開発した。主な機能は、1)収集スケジュール機能、2)サーバへの自動ログイン機能、3)データダウンロード機能、4)データフォーマット変換機能、5)データ保存機能を有する。これらはJava言語で作成した。 2.局地気象予報データの収集とデータベースの構築 全国の842地点を対象に、2002年4月1日〜12月31日まで、上記のプログラムを用いて局地気象予報データを収集した。収集データは毎日5時、17時に発表される向こう48時間先までの気温,相対湿度,風向,風速,降水量,天気概況の時別予報値である。これらを日本気象協会のサーバから鹿児島大学のPCにダウンロードした。更に、データ変換して局地気象予報データベースを構築した。 3.AMeDASと気象台による観測値データベースの構築 局地気象予報の予報誤差を検証する目的で、AMeDASおよび気象台の観測データを収集し、データベースを構築した。AMeDASデータは約840地点、気象台は約160地点のデータである。 4.局地気象予報の予報誤差の検討 空調熱負荷に強く影響を及ぼす気温、相対湿度の予報誤差(RMSE、MBE)を定量的に明らかにした。気温の誤差は平均的に1.6〜2.5℃、相対湿度は10〜20%であることが明らかとなった。気温、湿度ともに誤差が大きく、直接、熱負荷予測や日射量、大気放射量の推定に利用することは問題であり、予報誤差を改善する方法の開発が不可欠であるという知見を得た。 5.気温予報誤差の改善方法の検討 上記の知見に基づいて、気温の予報誤差を時系列解析し、過去の気温予報誤差から1時間将来の予報誤差を予測する時系列モデルを構築した。また、このモデルを用いれば気温の平均誤差を1℃前後改善できる場合があることを明らかにした。
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