1.気温の予報誤差を改善するモデルの改良 昨年度の気温の予報誤差を改善する時系列モデルの係数を見直し、精度向上の可能性を検討した。 2.相対湿度の予報誤差を改善するモデルの構築 数時間過去に観測された相対湿度を用いて、予報誤差の履歴を算出し、その履歴から数時間未来の予報誤差を予測する時系列モデルを構築した。このモデルによれば、予報誤差を25〜58%改善できる場合があることを明らかにした。 3.絶対湿度予報データの追加方法の開発 気温及び相対湿度の予報値に対して、時系列モデルによる予報誤差の改善処理を施し、これら2要素から、絶対湿度の予報値を追加する手法を開発した。気温、相対湿度の誤差の改善により、絶対湿度の予測誤差を20〜60%改善できる場合があることを明らかにした。 4.日照時間、日射量の予報値の追加方法 局地気象予報の天気概況と気温、湿度のデータから、日照時間を予測する方法を検討した。その結果、快晴時及び曇天時においては、予測の可能性を確認できたが、雲の変動の激しい中間的な天候時には、やや予測誤差が大きくなることを確認した。また、予測した日照時間を用いて、日射量、大気放射量の推定を試みた。 5.局地気象予報を任意地点の予報に補正する方法の検討 鹿児島地方気象台周辺の十数地点で気温観測を実施し、気象台の気温予報値を周辺地点のデータに補正する手法を考察した。 6.空調熱負荷の線形予測モデルの構築 福岡で測定されたオフィスビルの空調熱負荷と外界温湿度の重相関分析を試み、熱負荷を予測する重回帰モデルを構築した。その際、オフィスの空調スケジュール、執務時間帯などを考慮した。
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