研究概要 |
本年度は以下の考察を行った。 (1)名古屋市内の5つの商店街を事例に,商店の店先に陳列された商品や看板,ベンチなどの実測を元に,その空間的パターンを抽出し,それぞれの特質を分析した。これに店主の意図や商店街としての取り決めなどを加味して,商店の店先の使われ方及び商店が店先の公共空間を私的利用して商売の場を公共空間にまで拡大した際に形成される公私中間領域としての店先空間の特質について,考察した。 (2)商店街の中で,私空間でありながら公的な空間性を有する場所の例として喫茶店に着目し,喫茶店がいかなる要因をもって地域住民の日常生活上の居場所になっているかについての考察を行った。名古屋市内の3商店街を事例に,商店街およびその周辺に住む住民を対象にして,頻度や同行者など喫茶店利用についてのヒアリング調査を行い,状況把握をした。さらにその発言を元にして,商店街の喫茶店を場所の固有性と社交性の観点から整理し,地域住民にとっての喫茶店の位置づけを明らかにした。 この成果は,研究論文3編にまとめて投稿し,発表した
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