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2003 年度 実績報告書

明治・大正期における官庁街の建設による都心改造の内容及びその後の変容過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14750506
研究機関三重大学

研究代表者

松浦 健治郎  三重大学, 工学部, 助手 (20335144)

キーワード官庁街 / 都心改編 / 城郭改造 / 軍事施設 / 城下町都市 / 近代計画史
研究概要

平成15年度は、近世城下町を基盤とする府県庁所在都市30都市を対象として、明治・大正期における官庁街の形成と都心改編についての分析を行い、以下の結論を得た。
(1)城郭に近接して形成された官庁街
まず、「官公庁施設は集積し、官庁街を形成した」、及び「官公庁施設は城郭に近接して設置された」傾向が明らかとなった。これらの要因として都市の中心部に城郭や武家屋敷等の広大な土地が残されていたことが挙げられる。藩政期の都市核であった城郭及びその周辺の上級武家地を活用して、官庁街が新たな都市核として置き換えられたのである。
(2)官庁街の形成に伴う城郭改造
「城郭に近接した官庁街形成に伴う城郭改造」が行われた都市が多く見られた。具体的には、官庁街周辺で堀の埋め立てや街路の新設といった改造が行われている。このような都市では、外堀の内側に位置し広大な土地が確保できる城郭地区内に官庁街が形成されたケースが多い。その場合、閉鎖的な都市空間である城郭地区の解体によって、城郭地区内の官庁街と城郭周辺地区との連続性を確保するために都心改編が行われたものと考えられる。
(3)建築・都市ストックを活用した官庁街形成
その一方で、既存の城下町基盤の改編を極力行わないで、ほぼそのまま継承して官庁街を形成した都市が多く存在したことは興味深い。これらの都市では、外堀の外側の開放的な位置に官庁街が形成されていることが多い。また、廃藩置県直後及び市制施行直後に、府県庁舎・市庁舎について既存施設を用途転用した事例も多く見られた。廃藩置県当初は、財政的にゆとりがなかったこともあって、このような建築・都市ストックの有効活用が図られたのだろうが、近世城下町には、城・大名屋敷・寺社等の建築ストック、整ったグリッド状の街区構成等の都市ストックが残されていたからこそ可能であったとも言える。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 日下部聡, 松浦健治郎, 横田嘉宏, 浦山益郎: "官庁街の変遷と都市デザイン手法に関する研究その3 明治・大正期における官公庁施設設置の特徴〜近世城下町を基盤とする府県庁所在都市を対象として"2003年度大会(東海)学術講演梗概集 日本建築学会. F-1分冊. 99-100 (2003)

  • [文献書誌] 横田嘉宏, 松浦健治郎, 日下部聡, 浦山益郎: "官庁街の変遷と都市デザイン手法に関する研究その4 近世城下町を基盤とする府県庁所在都市における明治・大正期の府県庁舎・市庁舎の設置場所の変遷"2003年度大会(東海)学術講演梗概集 日本建築学会. F-1分冊. 101-102 (2003)

  • [文献書誌] 松浦健治郎, 横田嘉宏, 日下部聡, 浦山益郎: "官庁街の変遷と都市デザイン手法に関する研究その5 明治・大正期の官庁街付近の都心改編の状況〜官庁街を形成した近世城下町を基盤とする府県庁所在都市27都市を対象として"2003年度大会(東海)学術講演梗概集 日本建築学会. F-1分冊. 103-104 (2003)

  • [文献書誌] 松浦健治郎, 横田嘉宏, 日下部聡, 浦山益郎: "近世城下町を基盤とする府県庁所在都市における官庁街の形成手法に関する研究その1 明治・大正期における官公庁施設の立地場所と商業地区との関連"日本建築学会東海支部研究報告集. 第42号. 677-680 (2004)

  • [文献書誌] 横田嘉宏, 松浦健治郎, 日下部聡, 浦山益郎: "近世城下町を基盤とする府県庁所在都市における官庁街の形成手法に関する研究その2 明治・大正期における官公庁施設と市民利用施設との関連"日本建築学会東海支部研究報告集. 第42号. 681-684 (2004)

  • [文献書誌] 日下部聡, 松浦健治郎, 横田嘉宏, 浦山益郎: "近世城下町を基盤とする府県庁所在都市における官庁街の形成手法に関する研究その3 昭和初期における官庁街の空間構成を分析する資料としての吉田初三郎鳥瞰図の可能性"日本建築学会東海支部研究報告集. 第42号. 685-688 (2004)

  • [文献書誌] 松浦健治郎, 日下部聡, 横田嘉宏, 山口庸介: "100万都市の広域交流拠点にふさわしい官庁街(シビックセンター)への改編を"2003年度日本建築学会大会(東海)都市計画部門研究協議会資料「100万都市の再生論とその都市像」. 216-220 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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