最終年度の本年度は以下の項目について調査分析を実施した。 ○自然環境及び生物多様性保全のための重点的地域の選定と計画策定のためのシステム構築 都市構造の変化や「都市構造の変化と自然環境変化の関連性分析」、「自然環境要素の分布地域の類型化と特性把握」の結果を勘案して、重点的に保全・保護を行うべき地域・地点の選定を行った。方法としては、実際の現地調査を通して得られた緑地環境の写真をベースとしたデータベースを構築し、緑の基本計画、自然環境情報データベースとの比較、さらには昨年度の重点的保全地域の選定結果をもとに、今後の保全の方向性を示した。 ○緑地環境情報データベースの構築 一般市民の緑地環境の認識や行政サイドの計画決定プロセスにおける資料として、地理情報システム(GIS)上にて緑地環境を写した写真をベースに、諸情報(市街地変化量、地形的条件など)を加えたデータベースを構築した。現在はインターネット上で公開するには至っていないが、今後の研究の発展として公開を考えている。 ○総括 3ヶ年にわたって実施してきた本研究では、自然環境の変化や都市構造の変化が密接に関連していることを改めて認識できる結果が得られたと考えている。今後、持続可能な都市の発展、さらには農村との共生を図るためには、都市計画制度を含めた多角的視点に立った調査分析が必要である。今回、緑地環境情報データベースなどの、このようなデータベース化された情報を時系列で整理し、分析に使用することは今後の緑地環境施策に大きく寄与できると考えられる。
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