本研究では、北海道内における5万人未満の自治体を対象とし、(1)居住動向調査による「過疎化メカニズム」の解明、(2)自治体再生に向けたまちづくりの実態分析、(3)まちづくりの評価システムの構築、を目的としている。 初年度である平成14年度は、上記(1)の前半部分と(2)を対象に調査を実施した。 まず平成14年8〜9月に北海道内196自治体を対象にアンケート調査を行った。ここでは、主に自治体の過疎化の実態とそれに対する活性化策、更には新規移住者の実態について調査した。 (1)に対しては、アンケートの回答に基づいて、「中核都市」との関係からみた「自治体分類」を行い、対象自治体を5つに大別した。この分類に基づいて人口と産業の動向を定量的に分析した結果、過疎化の実態は、中核都市の人口規模および中核都市との時間距離に影響されていることを明らかにした。 (2)のまちづくりの実態分析では、アンケート調査と並行して13自治体に対するヒアリング調査を実施した。ここでは、まちづくり(活性化策)を10の目的に整理して分析を行った結果、上記の自治体分類毎に、まちづくりの目的に多少の違いが見られることを明らかにした。例えば、大規模中核都市に近接する比較的規模が大きい自治体では、住民の生活の質的向上を目的とした活性化策に重点を置く一方で、中核都市を持たない「自律都市」では、産業基盤の強化を重点目標としている、等の実態である。尚、(2)については、現在も分析中である。
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