本年度は、まず病院における病室整備と、環境整備の取り組みに関して全国調査を行った。特に終末期の患者ケアは、病室環境を整えることに関して、一般病棟においても、関心が高い。環境療法士の活躍の場は、最も多い一般病棟等が想定されることからも、現状での病室・病棟の整備状況と、看護上行っている環境整備の現状、ならびに課題、問題点に関してアンケート調査を行った。(1)療養の場自体の選択、(2)病棟、病室の建築的質、設備の充実度、(3)インテリア、病棟運用、環境整備への配慮、といった、それぞれのレベルでの療養環境の整備のあり方を把握できた。また、特に(2)と(3)のレベルから環境療法士の概念の絞込みと、方法論を整理した。その結果は日本建築学会大会において発表する。本調査が一般病院看護婦長に対する、病院全体のとしての取り組みの把握であったため、追調査として、現場看護婦への調査を準備中である。 また、環境が与える人への心理的、生理的好影響を実証することも、本研究の目的でる。また、理論の実証のための実験の基礎データの収集をはかっている。生理指標を使って比較の基本データとして、無響室、ホワイトノイズ、一般的暗騒音による脳波の動向を蓄積した。被験者の個性も影響があるが、その時を過ごす状況により影響が変わってくる。無響室という密閉空間でのストレスなどが影響するなど、波形を厳密に読むことに重点をおかないように注意する必要がある。実験時間を教えないで待機する環境、いることに目的のある環境など、環境条件の厳密さより、環境与条件の計画に重点をおいて実験を進めていく必要がある。
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