<調査活動> 年度前半は予備的調査を行うと同時に研究の枠組みの検討を行った。年度半ばには、前年度の調査旅行時の資料収集でカバーしきれなかった図面資料を追加すべく、Victoria & Albert Museum及びBritish Libraryにおいて資料収集を行い成果をあげた。 またヴァンブラの代表作であるカッスル・ハワードを訪れランドスケープ調査および建築の調査を行った。さらに現地での調査及び資料収集で得た研究材料に加え、国内からも積極的に資料収集を行った。 <分析・研究> 以上の活動より得られた研究資料をもとに、ヴァンブラの建築作品に見られる平面の構成手法に関する分析を行い、成果を上げた。その一部は日本建築学会大会で発表した。また追加調査により得られた図面資料を使用した分析を行い併せて論文集に投稿を準備している。 本年度は特に建築図面を用いた研究に加え、ヴァンブラの喜劇作品の分析およびヴァンブラと修道士ジェレミー・コリヤーとの論争を分析し、そこに見られる古典主義への依拠を確認した。また古典という概念と田園の風景という物が分かちがたく結びついており、古典の概念がヴァンブラをピクチャレスク建築の構想へと導いたということが推察された。 更に今後の課題としてヴァンブラの建築・喜劇作品における都市と田園という位相とヴァンブラがかつて滞在したインドのスラトにおける都市計画の関係について今後一層の調査研究を行う予定である。
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