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2003 年度 実績報告書

遮熱コーティングシステムにおける界面性状の制御に基づく高性能化

研究課題

研究課題/領域番号 14750591
研究機関東京都立大学

研究代表者

高橋 智  東京都立大学, 工学研究科, 助手 (80260785)

キーワード遮熱コーティング / 高温酸化 / コーティングプロセシング / TGO(Thermally Grown Oxide) / TEM
研究概要

高性能プラズマ溶射遮熱コーティング(TBC)システムの設計・開発に向け,コーティングプロセシングの高度化に基づく微構造制御を通してシステム設計の最適化を図ることが重要である.
本研究は,昨年度の研究成果を踏まえ,種々のコーティングパラメータを系統的に変化させた数種類のTBCシステムを対象として1000,1100℃で等温酸化試験および熱サイクル試験を実施し,コーティングプロセシングに依存するコーティング微構造や界面性状などのコーティング特性と関連づけてTBCシステムの高温耐久性を評価した.
その結果,高温酸化特性は,トップコート粉末の種類と溶射後の熱処理温度や雰囲気を組み合わせた後熱処理条件に強く依存することを明らかにした.すなわち,中空造粒粉で作製した多数の微視気孔や微視き裂を有するトップコート性状は,溶融粉砕粉から成る微視的欠陥をほとんど含まないトップコートに比べて,優れたトップコートはく離抵抗を示す.これはトップコート中に先在する微視欠陥に起因した熱応力緩和効果のためである.また溶融粉砕粉を近接溶射させて作製したセグメント化トップコートは,トップコートのはく離抑制に大変有効であることを明らかにした.さらに昨年度の研究で見出したArガス雰囲気中での適切な後熱処理によってトップコート/ボンドコート界面に発達させた純粋なAl_2O_3連続層から成る酸化物(TGO)層が,熱的に安定で成長速度が遅く,TBCシステムの高温酸化特性改善に向けて極めて効果的であることを実証した.これに対して大気中高温下での後熱処理は,多数のボイドを有する不均質TGO層の発達を助長し,溶融粉砕粉で作製した緻密なトップコートを有するTBCシステムでは早期トップコートはく離を誘発する危険性が極めて高いことを指摘した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 高橋 智, 吉葉正行, 原田良夫: "プラズマ溶射TBCシステムの高温酸化特性に及ぼすコーティング性状の影響"腐食防食協会 第50回材料と環境討論会講演集. 337-340 (2003)

  • [文献書誌] 高橋 智, 吉葉正行, 原田良夫: "プラズマ溶射TBCシステムのコーティングプロセシングと高温酸化特性"日本金属学会 第133回大会講演概要. 359 (2003)

  • [文献書誌] 高橋 智, 吉葉正行, 原田良夫: "プラズマ溶射TBCシステムのコーティングプロセスと高温酸化特性"日本機械学会 材料力学部門講演会講演論文集. 221-222 (2003)

  • [文献書誌] 高橋 智, 吉葉正行: "プラズマ溶射TBCシステムのナノ界面キャラクタリゼーションと高温酸化特性"腐食防食協会 高温材料システム分科会 第2回例会講演資料. 1-14 (2003)

  • [文献書誌] Satoru TAKAHASHI, Masayuki YOSHIBA, Yoshio HARADA: "Nano-Characterization of Ceramic Top-Coat/Metallic Bond-Coat Interface for Thermal Barrier Coating Systems by Plasma Spraying"Materials Transactions. 40・6. 1181-1189 (2003)

  • [文献書誌] 高橋 智, 吉葉正行, 原田良夫: "TBCシステムの高温酸化とはく離挙動"腐食防食協会 材料と環境2003講演集. 253-256 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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