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2002 年度 実績報告書

ステンレス精錬ダスト処理法の開発 ―含Crダストの再資源化プロセスの検討―

研究課題

研究課題/領域番号 14750597
研究機関九州大学

研究代表者

中須賀 貴光  九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40336011)

キーワードステンレス精錬 / ダスト処理 / 炭素還元 / 還元挙動 / 回収率 / 再資源化
研究概要

ステンレス鋼の製造では,転炉処理で多量に発生する含Crダスト及びスラグの低減化,再資源化が実施されているが、Crが十分に回収されているとは言い難い.従って,Crの回収率の向上のためには酸化鉄共存下でのCr_2O_3の還元挙動を解明することは重要であり,実操業及び学問両面からもその解明が強く望まれている.本研究では,ステンレス精錬ダスト処理法の開発を目的に,実操業ダストを用いて,還元挙動に及ぼすダスト組成,炭材量,温度,炉内雰囲気の影響を調べ,Crを再資源化する際の最適条件について検討を行った.得られた結果は以下の通りである.
M.Fe濃度が高いダストに関しては,試料を黒鉛るつぼに入れ,1300℃以上の高温で加熱処理を行うことにより,短時間で,金属相とCr, Feを含まないスラグ相に溶融分離でき,スラグを含まない金属Fe-Cr-C合金が得られることがわかった.
FeO, Fe_2O_3濃度が高いダストに関しては,作製した炭材内装ペレットをN_2雰囲気中で加熱処理した結果,1200℃,1100℃の還元率曲線は直線的であるのに対して,1000℃の場合には反応後期に還元率曲線の勾配が小さくなり,還元速度が遅くなる傾向が見られたが,炭材量及び温度の影響は大きく,炭材量が多く,高温ほど還元速度は速くなることがわかった.しかし,過剰に炭材が存在する場合でも,各温度で100%の還元率を得ることはできなかった.熱力学平衡関係から,CrよりもFeの方が還元され易く,酸化鉄の還元が優先的に進行した後に,Cr_2O_3の還元が進行すると考えられるが,今回の還元条件ではCr_2O_3の還元は起こりにくく,ダスト中には未還元のCrが酸化物の状態で多量に残留していることがX線回折及びEPMA分析により確認された.よって,100%の還元には,さらに高温でCrの還元を促進する必要があるが,上記の方法で酸化鉄を還元してCrの含有割合を高めた試料は,溶銑と反応させることによりCrは容易に回収されると考えられる.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中須賀 貴光: "ステンレス鋼スラグ及びダストからのクロムの回収"材料とプロセス. 15. 738-738 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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