研究概要 |
本年度は多様なゼオライト合成法を駆使して種々のチタンシリケートを調製し、それら触媒のアルケンの液相酸化活性を評価した。 通常の水熱合成法と固相転化法を用い、直接にチタンを導入した結晶性チタンシリケート(TS-1,Ti-BetaとTi-MWW)と非晶性チタンメソポーラス触媒(Ti-MCM-41、Ti-MSU-G)を調製した。温度、時間、pH、型剤の種頚、結晶化助剤と促進剤の添加等の様々な条件を検討し、触媒の幾何構造、粒子のサイズと形態および細孔の大きさを制御しながらチタン導入量の向上方法を確立した。 直接法でチタンの導入が難しいモルデナイト(MOR)、Y(FAU)、とSBA-15場合、チタン源(Ticl_4とTBOT)による気相または液相処理法(post-synthesis法)で調製した。 得たチタンシリケート触媒について結晶構造X線回折法(XRD)と固体NMRで、チタン種の存在状態と周囲の構造を赤外、紫外可視分光法で調べ、チタンは骨格サイトに四配の状態で存在することを明らかにした。また、疎水性は水吸着によりTS-1>Ti-MWW>Ti-Beta>>Ti-SBA-15の順で低下することがわかった。 上記のチタンシリケート触媒をシンプルアルケン(1-hexene)の過酸化水素または有機過酸化剤の液相酸化に適用してその触媒活性を測定した。結晶性チタンシリケートは、親水性のチタンメソ多孔物質触媒より遥かに高いエポキシ化活性を示した。さらに、種々の結晶性チタノシリケートの中でTi-MWWは最も高い触媒活性をしめし、今まで最も有効なアルケン液相酸化触媒であることがわかった。
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