本システムはインターネットを用い、オンラインで分子設計の支援をおこなうことを目的とする。これを構築するにあたり、本年度はその中核をなすオンライン分子グラフィックスシステムの開発をおこなった。まず、LinuxをOSとしたサーバコンピュータに、WWWWサーバなどのサーバソフトウェアを導入し、クライアント・サーバシステムの構築をおこなった。操作のインターフェースをHTML形式で作成し、それをサーバコンピュータ上に置くことにより、クライアント側からWebブラウザでの操作可能とした。また、CGI (Common Gateway Interface)を用い、クライアント側からのデータファイルの読み込み、データの変換出力、クライアント側へのVRML形式でのグラフィック表示などを可能とした。これらの操作はすべて、インターフェースWebブラウザを用い、クライアント側からおこなうことを可能とした。これにより、インターネットに接続されていれば、どこからでも分子グラフィックスの表示が可能となった。 読み込み可能なデータ形式は、PDB形式とModrast/Molda形式となっている。また、表示スタイルはBall and Stick形式やSpace-filling形式以外にも、生体高分子向けのバックボーンやリボン表示などが可能となっている。さらに生体高分子の特定の残基や主鎖、部位の抜き出しや強調する表示スタイルも可能となった。また、これらの特定部位の指定も、Webブラウザのインターフェースによって操作できるように設計した。 以上の結果、オンライン分子グラフィックス表示システムについてはほぼ完成した。今後はこのシステムを拡張し、モデリング機能を付加する予定である。
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