これまでに試作した紫外・可視領域全反射スペクトル測定用SOWG吸光測定装置の高機能化に向けて、分子認識部の高性能化を目指した新規なセンシング膜の作製を試みるとともに、偏向測定システムの構築を図った。また、本検出システムとの適合性に優れたキャピラリーHPLCシステムを開発した。 1.親水性のポリマー薄膜をセンシング層とする光導波型吸収測定システムの開発 ガラス製の導波層表面を厚さ1μm程度の親水性のポリマー薄膜でコーティングする技術を確立した。このポリマー薄膜に分析試薬として適用範囲の広いポルフィリンを化学的に固定化し、ポルフィリンを利用した高選択性吸光検出の応用可能性を検討した。本センサーの初期応答は数秒と速く、連続流れ分析装置の検出器として十分適用できることを示した。 2.スラブ光導波路(SOWG)時間分解偏光スペクトル測定システムの開発 HPLCで多用されているシリカ系充填剤表面での分子の挙動に関する情報の収集を目指し、SOWG時間分解偏光スペクトル測定システムを構築した。本測定装置を用いて、シリル化剤で修飾したガラス表面へのメチレンブルーの吸着特性(配向状態や吸着量)を詳細に検討した。 3.有機ポリマー製モノリス型キャピラリーカラムの開発 微小空間で高性能な分離を実現するための分離媒体の開発を試み、低背圧でありながら極めて分離能に優れたメタクリル酸系モノリス型キャピラリーカラムの開発に成功した。
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