• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

フッ素系溶媒を用いる高選択的不斉合成反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14750684
研究機関岡山大学

研究代表者

網井 秀樹  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (00284084)

キーワード有機フッ素化合物 / 遷移金属触媒 / 触媒的不斉合成 / 含フッ素アミノ酸
研究概要

本研究は、フッ素系溶媒を反応媒体に用いる、極めて独創性の高い不斉合成反応の開発を目指すものである。
まず、本研究では含フッ素アミノ酸の触媒的不斉合成反応を行なった。後続の官能基変換の容易さを考慮して、ブロモ基を有するイミノエステルを基質に用いて反応を試みた。β-ジフルオロエナミンの臭素化によって得られたブロモジフルオロイミノエステル(1)の触媒的不斉水素化を検討した。触媒量のトリフルオロ酢酸パラジウム、触媒量のBINAP配位子を用い、反応溶媒としてトリフルオロエタノール(TFE)を用いると、化学収率75%、鏡像体過剰率88%という高いエナンチオ選択性で、目的のアミノエステル(2)を得ることに成功した。興味深いことに、この水添条件下では炭素-臭素結合の切断が起こらないことが確認できた。
引き続き、光学活性な生成物(2)の変換反応を行なった。アリルトリブチルスズとのラジカル的増炭反応、それに続くエステル部位の変換、脱保護を施すことにより、ジフルオログルタミン酸及びジフルオロプロリンの前駆体(3)を鏡像体過剰率88%を保ったまま得ることに成功した。この化合物(3)に対し、オゾンを作用させると、炭素-炭素2重結合の解裂を伴い、ジフルオロプロリンの母体骨格となる5員環が形成できた。また、化合物(3)に対し、酸化ルテニウムを作用させると、ジフルオログルタミン酸の母体骨格となるジカルボン酸を得ることができた。さらなる化学変換を施し、光学純度の高いジフルオログルタミン酸及びジフルオロプロリンを得る予定である。

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi