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2002 年度 実績報告書

生分解性を有する糖鎖高分子の酵素合成と生体機能発現

研究課題

研究課題/領域番号 14750693
研究機関名古屋大学

研究代表者

三浦 佳子  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00335069)

キーワード酵素 / 生分解性高分子 / 糖鎖
研究概要

細胞表層の糖鎖は生体の機能調節に深く関わっている。糖鎖の相互作用は微弱であるが、糖鎖を高密度に集合化させるとクラスター効果によって、強い分子認識能を発揮する。特に側差に糖鎖を有する糖鎖高分子は高分子主鎖に沿って糖鎖が高密度に集合しているため、大きな糖クラスター効果を発揮する。糖鎖高分子の優れた生体機能を生かせば、優れた医用材料が創製されると期待できるが、生体安全性、生分解性が保証されていないことから、用途は広がっていない。本研究では酵素反応の逆反応を利用することで、生分解性の糖鎖高分子を簡便かつ、低環境負荷な方法で合成することを目的としている。
本研究では、糖鎖に対する選択的エステル化反応を利用して、ポリビニルアルコール結合型の糖鎖高分子の合成を行った。糖アルコールとジカルボン酸ジビニルエステルを用い、加水分解酵素を触媒として、エステル化を行った。得られた糖エステルはビニルエステルを有しているため、重合性を示し、ラジカル重合によって、糖鎖高分子を得ることができた。この糖鎖高分子は糖鎖の認識機能に対応して、レクチン認識性、細胞接着性を示した。同様の手法を用いて、抗菌活性を有するアミノ糖(アミカシン)へのエステル化と高分子化を行い、多価抗菌剤の簡便な合成法の開発に成功した。更に、αガラクトース構造を有する非還元二糖の修飾を行い、αガラクトース型の糖鎖高分子の合成に成功した。糖の構造により、αガラクトース型のポリマーはベロ毒素に結合することが示された。いずれの場合もエステル化は位置選択的かつ高収率で起こった。エステル化の選択性は立体障害に大きく影響を受けており、高い一級水酸基選択性が観察された。また、得られた高分子は生分解性のポリビニルアルコール骨格とエステル結合によって形成されており、土壌中で分解性を示し、酵素存在化でプロドラック効果を示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshiko Miura, Takayasu Ikeda, Kazukiyo Kobayashi: "Chemoenzymatically Synthesized Glycoconjugate Polymers"Biomacromolecules. 4. 410-415 (2003)

  • [文献書誌] Yoshiko Miura, Yuuki Sasao, Hirofumi Dohi, Yoshihiro Nishida, Kazukiyo Kobayashi: "Self-assembled monolayers of globotriaosylceramide (Gb3) mimics : surface-specific affinity with shiga toxins"Analytical Biochemistry. 310. 27-35 (2002)

  • [文献書誌] Y.Miura, T.Ikeda, K.Kobayashi: "Protease-Catalyzed Synthesis of Glycoconjugate Polymer"Polymer Preprint. 43. 777-778 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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