• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

生分解性を有する糖鎖高分子の酵素合成と生体機能発現

研究課題

研究課題/領域番号 14750693
研究機関名古屋大学

研究代表者

三浦 佳子  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00335069)

キーワード糖鎖 / 酵素 / 高分子 / イオン性液
研究概要

糖鎖は生体内で、細胞の分子認識、病原体の感染など、様々な生体現象に関わっている。糖鎖の生体相互作用は微弱であるが、高密度に集合化させると"糖クラスター効果"によって、強い認識能を発揮する。特に糖鎖を有する糖鎖高分子は高分子主鎖に沿って、糖鎖が高密度に集合化しており、大きな糖クラスター効果を発揮する。糖鎖高分子の優れた生体機能を生かせば、優れた医用材料が創製可能であるが、生体安全性、生分解性が保証されていないことから、用途は広がっていない。本研究では酵素反応の逆反応を利用することで、生分解性の糖鎖の糖鎖高分子を簡便に合成することを目的とする。また、糖が生物資源であり、酵素反応が温和な低環境負荷プロセスであることから、環境調和型の生物機能材料の創製も行うことができる。
平成15年度研究では、非還元二糖に対する酵素反応を利用し、ポリビニルアルコール型の糖鎖高分子の合成を行った。αグルコースからなるトレハロース、αガラクトースを有するガラクト型トレハロースを基質として、ジカルボン酸ビニルエステルを用い、加水分解酵素を触媒として、エステル化を行った。反応は一級水酸基選択的に進行し、非還元二糖ビニルエステルを得、この糖エステルをラジカル重合し、糖鎖高分子を合成した。この糖鎖高分子はレクチン(糖認識タンパク質)、ベロ毒素に対する認識性を示した。また、糖を側鎖に主鎖にビニルアルコールを有する両親媒性を有しており、疎水性テンプレートを用いることによって、糖鎖のパターン提示を行うことができた。また、糖の酵素反応についてイオン性液体を用いて検討した。イオン性液体中で反応が加速する場合があり、有機溶媒にイオン性液体を添加するだけで反応が加速される場合があることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Miura, Y., Ikeda, T., Wada, N., Kobayashi, K.: "Chemoenzymatic synthesis of glycoconjugate polymers : greening the synthesis of biomaterials"Green Chemistry. 19. 610-614 (2003)

  • [文献書誌] Shirahata, N., Yonezawa, T., Miura, Y., Kobayashi, K., Komoto, K: "Patterned adsorption of protein onto carbohydrate monolayer immobilized on Si"Langmuir. 19. 9107-9109 (2003)

  • [文献書誌] Miura, Y., Ikeda, T., Wada, N., Kobayashi, K.: "Chemoenzymatically synthesis of a multivalent aminoglycoside"Macromolecular Bioscience. 2. 662-667 (2003)

  • [文献書誌] Suzuki, M., Nishida, Y., Ohguro, Y., Miura, Y., Tsuchida, A., Kobayashi, K.: "Synthesis and characterization of asymmetric o-and m-nitrobenzoic aids with a 1,3-benzodioxole skeleton"Tetrahedron Asymmetry. 15. 159-165 (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi