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2003 年度 実績報告書

導電性高分子のひも状集合体を化学架橋により固定化・被覆したナノ導線の開発

研究課題

研究課題/領域番号 14750711
研究機関徳島大学

研究代表者

森 健  徳島大学, 工学部, 助手 (70335785)

キーワードポリパラフェニレンビニレン / ポリエチレングリコール / 導電性 / ナノ導線 / 液晶性 / ひも状ミセル
研究概要

液晶性高分子としてポリパラフェニレンビニレン(PPV)に着目し、定法に従ってπ共役が飽和に達した長さである10量体程度のものを合成した。これを分子量の異なる3種類の末端アミノ化されたポリエチレングリコール(PEG)(分子量2200,5200,11800)とC=N結合によって連結させた後、シアノ水素化ホウ素ナトリウムによって還元することで安定なC-N結合へ変換した。これ以降、PEG 分子量の小さいブロックポリマーから順にpolymer1、polymer2、polymer3と呼ぶことにする。
得られたブロックポリマーを良溶媒であるTHFに溶解し、そこにPEGに対する選択溶媒であるH_2Oを加えた。その結果、3種類すべてのポリマーにおいて、ポリマーは可溶であるもののUVスペクトル測定からPPV吸収のブルーシフトと淡色効果が観察されたことから、PPV部分が不溶化して会合していることが示された。また、蛍光スペクトル測定からもPPV部の消光が観察されたことから、PPVの会合が示唆された。
溶液中での会合体の形態を調べるために光散乱測定を試みたが、十分な散乱強度が得られず測定できなかった。そこで、ポリマーのTHF溶液をキャストし乾燥させた状態でTEM観察を行ったところ、polymer1およびpolymer2においては、直径が十nm程度で長さが数百nmのひも状の集合体が観察された。この直径がPPV二分子分に相当することから、ひも状集合体の軸方向に対して垂直にPPVが並んでいることが示唆された。一方、polymer3については、球状の集合体が観察された。これは、PEGが長くなるために、もはや棒状集合体が安定構造でなくなったからと考えられる。次に、AFM観察を行ったところ、直径20nm程度のひも集合体が確認されたことから、TEMではコアだけが、またAFMではシェルのPEG鎖も含んだ構造が観察されたものと考えられる。
次に、THF/水の混合溶媒中において、polymer2に対してPPVホモポリマーを混合させてみた。その結果、polymer2はPPVホモポリマーを可溶化させることが明らかとなった。そこで、TEMにてこの可溶化された構造を観察したところ、PPVホモポリマーを混合させないときと同様のひも状集合体が観察された。このことから、polymer2が作るひも状集合体のPPVコア部に、PPVホモポリマーが可溶化されていることが示唆された。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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