トリフェニレン系ディスコティック液晶(C8OBT)膜について、金基板上のアルカンチオール、非対称ジスルフィド等の自己組織化膜上での配向挙動について検討した。 C8OBT膜はディスコティックネマティック相において、金基板上ではシュリーレンテクスチャを呈したの対して、アルカンチオール(C16)自己組織化膜上ではよりドメインが細分化される傾向が見られた。非対称ジスルフィド(C4C16)自己組織化上ではホモジニアスに近いplanar配向の傾向が見られた。一方、冷却した際に現れるレクタンギュラーカラムナー相においては、金基板上では細かいドメインが形成されたが、C16自己組織化膜基板上ではより大きなドメインの形成がみられ、C4C16自己組織化膜基板に関しては、ディスコティックネマティック相での配向を反映して一様な配向が見られた。何れの基板においても、更なる冷却による結晶相への転移に伴って微小ドメインが形成された。棒状液晶と同様にディスコティック液晶のネマティック相においても、配向膜誘起の配向制御の可能性が見出された。さらに、より分子凝集力の強いカラムナー相においても、自己組織化膜の構成種によって大きく配向状態が表面誘起配向によって変化することがわかった。
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