研究概要 |
単気筒直接噴射式4サイクルディーゼル機関を用いて,混合燃料による機関運転を試みた結果について報告する.実験では,基礎データを得るために軽油・A重油,A重油とDME混合燃料について試験運転を行ない,燃焼室内部の圧力履歴,熱発生率,排気ガス成分など測定した.その結果,本実験装置の範囲では,軽油,混合燃料,A重油の順に着火が早くなり,窒素酸化物についても混合燃料を使用することでわずかに低減することが得られた.しかしながら,長時間運転する際にはさらにエンジンシステムの改善が必要である課題も得た.並列計算機システムは,DMEの成分分析をかけないという提供下からの誓約書により,kiva-3vからのDMEプロパティを移行することを考えている. 具体的には,DMEを提供いただいているところがら成分分析をかけない制約の下で研究を遂行している.一方で,KIVA2コードにはDMEの成分を組み入れたものはなく,蒸発潜熱などのプロパティを式にてあたえる必要がある.このDMEについての情報は,以前に購入したKIVA-3V(同志社大学)のコードではすでに組み込まれており,移管手続きを経て,本学でKIVA2とKIVA-3Vをコラボレーションすることを考えている.一方実験研究では,燃料の温度を管理するために各種測定器を新たに購入する計画を立てている.A重油を潤滑剤としてDMEに混合しているが,ピストンヘッド近傍で高温になるとベーパーロック現象を引き起こすために燃料の供給圧力をさらに上昇させるなのどの改善策を模索しているところである.
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