研究概要 |
「遺伝子破壊植物の探索と病原性試験」および「DNAマイクロアレイ解析」を行なった。シロイヌナズナを用いて、約2000のアクティベーションタグライン、変異原処理して作製した約2000の突然変異体と世界各国に存在する約70の遺伝子破壊株に病原菌を接種することでスクリーニングし、野生型と異なる表現型を示す多数の変異体を得た。また、病原菌接種、サリチル酸、ジャスモン酸、エチレン、アブシジン酸、パラコート、ローズベンガル、重金属、紫外線および傷処理において経時的に完全長cDNAマイクロアレイを遂行し、得られた結果をデータベース化した。 pad3変異体については完全長cDNAマイクロアレイを遂行し、野生型との比較解析を行った。また各処理において迅速かつ強く発現する遺伝子群を完全長cDNAとして保有し、そのプロモーター領域の配列情報と共にデータベース化を行った。次いで,「感染時に発現誘導される遺伝子のプロモーター解析」を行った。マイクロアレイデータベースを用いて選抜した遺伝子のプロモーターをレポーター遺伝子(β-グルクロニダーゼ:GUS)に連結して形質転換植物を作製し、GUS活性を指標にしてストレス応答性を解析した。チトクロームP450、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カルモジュリン遺伝子は病害ストレスだけでなく、複数の環境ストレスにも応答して発現することを明らかにした。特に、シロイヌナズナphospholipase A IIA(AtPLA IIA)遺伝子が病害および環境ストレスを含む13の処理で発現することを明らかにした。現在、シス因子を同定するためにプロモーター領域のdeletion解析を遂行している。
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